
親や配偶者が要介護認定を受けていた、あるいは65歳以上だった場合、亡くなったあとには介護保険の資格喪失届という手続きが必要です。結論から言うと、提出期限は死亡から14日以内。介護保険被保険者証などを役所に返却する必要があります。
葬儀や死亡届の対応に追われている間に、意外と見落とされやすいのがこの手続きです。年金や葬祭費の手続きと混同されることも多く、「もう済んでいるはず」と後回しにされがちですが、実際は別の制度・別の窓口です。
ここでは、介護保険法施行規則と福井市の公式情報にもとづいて、資格喪失届の対象者、期限、返却するもの、福井市の窓口、還付があるときの注意点までを順番に整理します。
介護保険の資格喪失届とは(65歳以上・要介護認定を受けていた人が対象)
介護保険の資格喪失届とは、亡くなった方が介護保険の被保険者でなくなったことを市町村に届け出る手続きです。福井市の案内では、対象を「65歳以上または介護認定を受けている方」としています。65歳以上であれば要介護認定の有無を問わず対象になり、65歳未満の場合は要介護・要支援認定を受けていたかどうかが目安になります。
亡くなった方が介護サービスを利用していなかったとしても、65歳以上で介護保険被保険者証(緑の保険証)を持っていた場合は、資格喪失の手続きが必要になります。「サービスを使っていなかったから関係ない」と判断せず、まず保険証の有無を確認してください。
この届出は、相続や年金とは異なり、亡くなった方が介護保険の被保険者だった事実そのものを閉じるための行政手続きです。届出をしないまま放置しても、すぐに罰則があるわけではありませんが、保険証が未返却のまま残ることになります。実家の片付けや遺品整理を始める前に、まず対象かどうかを確認しておくと、あとの作業がスムーズになります。
対象かどうかがわかったところで、次はいつまでに届け出ればいいかを見ていきます。
提出期限は死亡から14日以内(介護保険法施行規則)
介護保険法施行規則は、被保険者証の交付を受けていた被保険者が資格を喪失したときは、14日以内に届書を市町村に提出しなければならないと定めています。届書に記載する事項は、氏名、資格喪失の年月日及びその理由、個人番号、被保険者番号などです。
死亡による資格喪失の場合、この14日という期限は、役所への死亡届(一般的に死亡の事実を知った日から7日以内)よりもあとまで猶予がありますが、葬儀や他の手続きに追われているうちに過ぎてしまいやすい期間でもあります。役所へ死亡届を出すタイミングで、あわせて介護保険の窓口にも立ち寄るとスムーズです。
期限がわかったところで、次は実際に何を返却すればよいかを確認します。
返却するもの|介護保険被保険者証・負担割合証・各種認定証
介護保険法施行規則は、資格喪失の届書には被保険者証及び負担割合証を添えなければならないと定めています。福井市の案内ではこれに加えて、各種認定証もあわせて返却するものとして挙げられています。
- 介護保険被保険者証(緑の保険証)
- 負担割合証(黄色の証。自己負担の割合が記載されたもの)
- 各種認定証(要介護認定を受けていた場合)
これらは自宅の書類ファイルや、財布・かばんの中に保管されていることが多いものです。遺品整理や実家の片付けを進める中で見つかったら、他の書類と混ぜて処分せず、届出に使うためにまとめて確保しておいてください。
返却するものがわかったところで、次は福井市の具体的な窓口を確認します。
福井市の窓口|介護保険課
福井市で資格喪失の届出をする場合の窓口は、**市役所 介護保険課(別館2階)**です。窓口に行く際は、来庁者本人の本人確認書類と、返却する介護保険被保険者証・負担割合証・各種認定証を持参します。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 窓口 | 福井市役所 介護保険課(別館2階) |
| 電話 | 0776-20-5715 |
| FAX | 0776-20-5766 |
| 受付時間 | 平日8時30分から17時15分 |
| 持参するもの | 来庁者の本人確認書類、介護保険被保険者証(緑)、負担割合証(黄)、各種認定証 |
資格喪失届の要否や、死亡届の提出だけで手続きが完了するかどうかは、市区町村によって運用が異なる場合があります。福井市について、死亡届のみで完了するかどうかを確認できる一次情報はこの記事の時点で見つかっていないため、断定はせず、福井市介護保険課に事前に電話で確認することをおすすめします。
窓口が確認できたところで、次は還付が発生する場合の注意点を見ていきます。
高額介護(合算)サービス費の還付があるとき|振込先口座の変更が必要
介護サービスの自己負担が高額だった場合、あとから高額介護(合算)サービス費として還付されることがあります。ここで見落とされやすいのが、振込先の口座が亡くなった方名義のままだと受け取れないという点です。
福井市の案内では、振込先の口座が亡くなった方のものである場合は、振込先口座の変更手続きが必要とされています。手続期限は、サービスを提供した月の翌月の初日から2年以内です。窓口はここまでと同じく介護保険課になります。
亡くなった方の口座は、死亡の事実が金融機関に伝わると凍結されることが一般的です。還付金を受け取れないまま放置しないよう、資格喪失の届出とあわせて、還付の有無と振込先の名義を確認しておくと安心です。通帳や口座の扱いに迷う場合は遺品整理で通帳・口座が出てきたときも参考にしてください。
年金・葬祭費の手続きと混同しない(別の制度)
親などが亡くなったあとは、介護保険以外にも複数の届出・申請が重なります。制度も窓口も異なるため、それぞれ別物として整理しておくと手続き漏れを防げます。
| 手続き | 主な対象 | 窓口 |
|---|---|---|
| 介護保険の資格喪失届 | 65歳以上、または要介護認定を受けていた方 | 市区町村の介護保険課 |
| 年金受給権者死亡届・未支給年金の請求 | 年金を受けていた方 | 年金事務所(マイナンバー収録なら死亡届は原則不要) |
| 葬祭費・埋葬料の申請 | 加入していた健康保険による | 市区町村(国保・後期高齢)または協会けんぽ支部 |
介護保険の資格喪失届を済ませたからといって、年金や葬祭費の手続きが自動的に終わるわけではありません。それぞれ独立した手続きとして、一つずつ確認していく必要があります。窓口が分かれているぶん、「介護保険課に行ったから他は終わっている」と思い込みやすい点に注意してください。年金の詳しい手続きは年金の死亡手続き、葬祭費・埋葬料の申請は葬祭費の申請にまとめています。
基本情報のまとめ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 65歳以上、または要介護・要支援認定を受けていた方 |
| 提出期限 | 死亡から14日以内(介護保険法施行規則) |
| 返却するもの | 介護保険被保険者証・負担割合証・各種認定証 |
| 福井市の窓口 | 介護保険課(別館2階) |
| 電話・FAX | 0776-20-5715/0776-20-5766 |
| 受付時間 | 平日8時30分から17時15分 |
| 高額介護サービス費の還付 | 振込先が亡くなった方名義の場合は口座変更が必要。期限はサービス提供月の翌月初日から2年以内 |
表にすると分量は少なく見えますが、実際には「いつ」「どこに」「何を」が一度に重なる手続きです。書類を探す段階から、この表を手元のチェックリストとして使うと抜け漏れを防げます。
福井で他の死亡後手続きも一緒に確認する
介護保険の資格喪失届は、死亡後に必要になる複数の手続きのうちの一つです。相続放棄3か月・準確定申告4か月・相続税10か月・相続登記3年といった期限のある手続きは、相続手続きの期限一覧で全体像をまとめて確認できます。
役所への手続きが一通り見えてきたら、実家の片付けや遺品整理をどう進めるかも並行して考えていく段階になります。進め方に迷う場合は遺品整理を自分でやる手順を参考にしてください。
どの手続きから手をつければよいか、福井市の窓口ごとに何を持っていけばよいか整理したい方は、状況を相談フォームからお送りください。死亡後の手続きと片付けの進め方を、あわせて整理するお手伝いをします。
よくある質問
介護保険の資格喪失届は誰が亡くなったときに必要ですか?
65歳以上の方、または65歳未満で要介護・要支援認定を受けていた方が亡くなったときに必要です。福井市の案内でも、65歳以上または介護認定を受けている方が対象とされています。
介護保険の資格喪失届はいつまでに出せばいいですか?
介護保険法施行規則では、資格を喪失したときから14日以内に市町村へ届け出るよう定められています。役所への死亡届とあわせて、早めに動くと手続きが重なりません。
介護保険証はどこに返却すればいいですか?
福井市の場合、介護保険被保険者証(緑)・負担割合証(黄)・各種認定証を、市役所介護保険課(別館2階、電話0776-20-5715)へ返却します。届出にはこれらの証を添える必要があります。
介護保険料を多く払いすぎていた場合、戻ってきますか?
介護保険料そのものの精算・還付については、この記事で確認できた一次情報に記載がないため扱っていません。個別の状況は福井市介護保険課に確認してください。
高額介護サービス費の還付があるときは何をすればいいですか?
振込先の口座が亡くなった方名義のままだと受け取れないため、振込先口座の変更手続きが必要です。福井市では、サービスを提供した月の翌月の初日から2年以内が手続期限とされています。窓口は介護保険課です。


