年金の死亡手続き|死亡届は原則不要?未支給年金の請求方法

公開:2026.09.24更新:2026.09.24杉野龍泉のプロフィール写真監修:杉野龍泉(遺品整理コンサルタント/合同会社CIELIS代表)
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年金を受け取っていた親や配偶者が亡くなったとき、まず気になるのは「年金の手続きは何をすればいいのか」です。結論から言うと、やることは大きく2つに分かれます。年金を止める手続き(死亡届)と、まだ受け取っていない分を受け取る手続き(未支給年金の請求)です。

日本年金機構にマイナンバーが収録されている方は、死亡届の提出は原則不要になりました。ただし、これは「止める」側の手続きが簡略化されただけで、「受け取る」側の手続きである未支給年金の請求は、マイナンバーの有無にかかわらず別途必要です。ここを混同すると、届け出の遅れによって年金を返還する事態にもなりかねません。

ここでは、日本年金機構の公式情報にもとづいて、死亡届の要否、未支給年金を請求できる家族の範囲、遺族年金との違い、福井での窓口までを順番に整理します。

年金受給者が亡くなったら、やることは2つ(止める・受け取る)

年金を受けている方が亡くなったとき、遺族が行う手続きは次の2つに整理できます。

  • 止める 年金の支給を止める「年金受給権者死亡届(報告書)」
  • 受け取る まだ受け取っていない年金や、亡くなった月分までの年金を受け取る「未支給年金の請求」

日本年金機構は、この2つを1枚の書類「年金受給権者死亡届(報告書)兼 未支給年金・未支払給付金請求書」でまとめて扱えるようにしています。未支給年金を受け取れる遺族がいる場合は、この請求書を提出することで、死亡届と未支給年金の請求を同時に済ませられます。

「マイナンバーが収録されているから何もしなくていい」と考えてしまいがちですが、省略できるのは死亡届の部分だけです。未支給年金を受け取れる家族がいるなら、請求の手続きは必要になります。葬儀や役所への死亡届(住民票側の届出)と混同しやすい部分でもあるため、ここでいう「死亡届」は年金の支給を止めるための手続きだと区別して読み進めてください。次の項目から、それぞれを詳しく見ていきます。

死亡届はマイナンバー収録なら原則不要、必要なら10日(国民年金は14日)以内

年金受給者が亡くなったときの手続きフロー

年金受給権者の死亡届は、日本年金機構にマイナンバーが収録されている方については、原則として提出が不要です。ただし、未支給年金の届出などは別に必要になります。

マイナンバーが収録されていない場合や、収録の有無がはっきりしない場合は、死亡届の提出が必要です。期限は死亡年月日から10日以内(国民年金のみを受けていた方は14日以内)。死亡届には死亡年月日、年金証書に記載されている基礎年金番号と年金コード、生年月日などを記入し、亡くなった方の年金証書と、死亡を明らかにできる書類(戸籍抄本や住民票の除票など)を添えて提出します。

提出先は原則として年金事務所または年金相談センターですが、障害基礎年金・遺族基礎年金のみを受けていた方が亡くなった場合は、市区町村役場が提出先になります。自分のケースがどちらに当たるか迷ったら、年金証書の種類を確認したうえで、年金事務所かねんきんダイヤルに問い合わせるのが確実です。

年金証書が見当たらない場合でも、基礎年金番号が分かる別の書類(年金振込通知書、ねんきん定期便など)があれば手続きを進められることがあります。手元に何も見当たらないときは、まず年金事務所に事情を伝えてください。

死亡届の要否を確認したら、次はもう一方の「受け取る」手続きに進みます。

亡くなった後に振り込まれた年金はどうなる?(返還になる分・受け取れる分)

年金は偶数月に、前月・前々月分がまとめて振り込まれる仕組みのため、亡くなった後の口座に年金が振り込まれることが起こり得ます。この場合の扱いは次の2通りです。

  • 亡くなった月分までの年金 未支給年金として、生計を同じくしていた遺族が請求して受け取れます
  • 亡くなった日の翌日以後に受け取った分(亡くなった月の翌月以降の分) 届け出が遅れて多く受け取りすぎた扱いになり、後日返還することになります

日本年金機構は「提出が遅れると、年金を多く受け取りすぎることとなり、後でお返しいただく場合があります」として、すみやかな届け出を呼びかけています。返還はペナルティではなく、もらいすぎた分を精算する手続きという位置づけです。慌てず、気づいた時点で年金事務所に相談してください。

なお、未支給年金の請求をした場合でも、亡くなった方の口座を解約していないと、そちらに入金される場合があります。口座の扱いは請求の手続きとは別に考える必要があり、詳しくは遺品整理で通帳・口座が出てきたときにまとめています。

未支給年金を請求できる家族と順位(生計を同じくしていた人)

未支給年金を受け取れる家族の順位

未支給年金は、亡くなった方と生計を同じくしていた遺族のうち、次の順位で請求できます。

  1. 配偶者
  2. 子
  3. 父母
  4. 孫
  5. 祖父母
  6. 兄弟姉妹
  7. その他、(1)〜(6)以外の3親等内の親族

先順位の人がいる場合、後順位の人は受け取れません。また、同じ順位の人が2名以上いる場合は、そのうち1名が代表して請求します。「生計を同じくしていた」の判断には個別の事情が関わるため、別居していた家族が請求する場合などは、年金事務所に確認しながら進めるのが安全です。

請求できる人と順位が分かったら、次は実際に必要な書類を確認します。

請求に必要な書類チェックリスト(遺品整理で探すもの)

未支給年金の請求には、主に次の書類が必要です。実家の片付けや遺品整理を進めながら、これらを優先して探すと二度手間になりません。

  • 亡くなった方の年金証書
  • 亡くなった方と請求する方が生計を同じくしていたことがわかる書類
  • 受け取りを希望する金融機関の口座番号等が確認できる書類
  • 戸籍謄本・住民票(いずれも亡くなった日より後に交付されたものが必要)

提出方法は、年金事務所への郵送のほか、予約のうえで年金事務所や街角の年金相談センターへ出向く対面、電子申請の3通りがあります。年金証書は仏壇の引き出しや書類ファイルにしまわれていることが多く、片付けの初期段階で確保しておくと請求がスムーズです。戸籍謄本・住民票は「亡くなった日より後に交付されたもの」でなければならない点にも注意してください。役所への死亡届を済ませたあと、あらためて取得する必要があります。遺品の中から書類や貴重品を探す手順は遺品整理を自分でやる手順を参考にしてください。

遺族年金・寡婦年金・死亡一時金は別の手続き

死亡届と未支給年金の請求を済ませても、それだけで遺族年金が自動的に支給されるわけではありません。遺族年金は、国民年金または厚生年金保険の被保険者(であった方)が亡くなったときに、生計を維持されていた遺族が受けられる年金で、届出・請求とは別の手続きです。

遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があり、亡くなった方の年金の加入状況によって、いずれかまたは両方が支給されます。国民年金の被保険者等であった方が受給要件を満たしている場合、生計を維持されていた**「子のある配偶者」または「子」**が遺族基礎年金を受け取れます。

このほか、第1号被保険者としての保険料納付済期間が3年以上ある人が、老齢基礎年金・障害基礎年金のいずれも受けずに亡くなった場合は、生計を同じくしていた遺族(配偶者・子・父母・孫・祖父母・兄弟姉妹)に死亡一時金が支給されます。福井市によると、死亡一時金を受ける権利は2年を過ぎると時効になるため、早めの相談が必要です。寡婦年金・死亡一時金の対象になりそうかどうかは、年金事務所や市区町村の窓口で個別に確認してください。違いの詳細は遺族年金・寡婦年金・死亡一時金の違いにまとめています。

福井で手続きするなら(福井年金事務所・福井市保険年金課)

福井市によると、相談先は請求の内容によって分かれます。

相談内容窓口
死亡届・未支給年金の請求福井年金事務所
遺族基礎年金のみの請求福井市役所 保険年金課
遺族厚生年金と併せて請求する場合福井年金事務所
寡婦年金・死亡一時金の相談福井市役所 保険年金課、または福井年金事務所

福井年金事務所は福井市手寄2-1-34にあり、窓口は月曜から金曜の午前8時30分から午後5時15分まで(週初の開所日は午後7時まで、第2土曜は午前9時30分から午後4時まで)。個人の相談は全国どこの年金事務所でも受け付けているため、遠方に住む家族が近くの年金事務所で相談することもできます。電話での問い合わせは、ねんきんダイヤル(0570-05-1165)、予約受付専用電話(0570-05-4890)、または福井年金事務所お客様相談室(0776-23-4518、自動音声案内後(1)→(2))です。

窓口が分かったところで、最後にもう一つ、見落としやすい税金の扱いを確認しておきます。

未支給年金を受け取ったら税金は?

未支給年金を受け取ると、その支給金は受け取った方自身の一時所得として扱われます。一時所得の金額の合計額が、支給金を受け取る年分で50万円以下であれば、確定申告は不要です。合計額がそれを超える場合は、確定申告が必要になることがあります。判断が難しい場合は、税務署や税理士に相談してください。

年金の手続きは、遺産分割や相続放棄の判断とは別に進められます。ただし、相続放棄を検討している場合は、財産に手をつけると単純承認とみなされることがある点に注意が必要です。相続まわりの期限を一覧で確認したい方は相続手続きの期限一覧を、実家が遠方で立ち会えない方は遺品整理 実家 遠方を参照してください。65歳以上、または要介護認定を受けていた方は、介護保険の資格喪失届(死亡後14日以内)も必要です。詳しくは介護保険の資格喪失届。

基本情報のまとめ

項目内容
死亡届マイナンバー収録なら原則不要。必要な場合は10日(国民年金は14日)以内
未支給年金の請求マイナンバーの有無にかかわらず必要。生計同一の家族が順位に従って請求
提出方法郵送・対面(要予約)・電子申請
遅れた場合もらいすぎた年金は後日返還。口座未解約だと入金される場合あり
遺族年金・死亡一時金別の手続き。死亡一時金は2年で時効
福井の窓口福井年金事務所(0776-23-4518)、福井市役所保険年金課

亡くなった後の年金の手続きは、「止める」と「受け取る」を分けて考えると迷いにくくなります。自分のケースでどの書類が必要か、誰が請求できるかを確認したい場合は、状況を相談フォームからお送りください。福井での片付けや遺品整理の進め方とあわせて、整理の道筋をお伝えします。

よくある質問

年金を受けていた親が亡くなったら、まず何をすればいいですか?

やることは2つです。年金を止める手続き(死亡届)と、まだ受け取っていない分を受け取る手続き(未支給年金の請求)です。日本年金機構にマイナンバーが収録されている方は死亡届は原則不要ですが、未支給年金の請求は別に必要になります。

年金受給権者死亡届は必ず出さないといけませんか?

日本年金機構にマイナンバーが収録されている方については、原則として死亡届(報告書)の提出は不要です。マイナンバーが収録されていない場合や収録の有無が分からない場合は、10日(国民年金のみの方は14日)以内に年金事務所または年金相談センターへ提出します。障害基礎年金・遺族基礎年金のみを受けていた方は市区町村役場が提出先です。

未支給年金は誰が請求できますか?

亡くなった方と生計を同じくしていた遺族のうち、(1)配偶者(2)子(3)父母(4)孫(5)祖父母(6)兄弟姉妹(7)その他3親等内の親族の順で請求できます。先の順位の人がいる場合、後の順位の人は請求できません。同じ順位の人が複数いる場合は、1名が代表して請求します。

手続きが遅れるとどうなりますか?

死亡届・未支給年金の請求のいずれも、提出が遅れて亡くなった日の翌日以後の年金を受け取ってしまうと、その分を後で返還することになります。未支給年金の請求をしていても、口座を解約していないと入金される場合があるため、あわせて早めに手続きすることが大切です。

遺族年金も自動的にもらえますか?

自動的にはもらえません。遺族年金(遺族基礎年金・遺族厚生年金)は、死亡届や未支給年金の請求とは別の手続きです。亡くなった方の年金の加入状況や、生計を維持されていた家族の要件を満たすかで支給の有無が決まるため、年金事務所や福井市役所保険年金課で個別に相談してください。

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